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ドライブレコーダーについて

ドライブレコーダーと言うものが世に出始めたのは、2000年代に入ってからです。そもそも自動車の運行管理には、1960年代からタコグラフとかがトラック業界やタクシー業界等から装着されていました。当社は簡単な、速度等を円形のチャート紙に記録してゆくものでしたが、近年はデジタル化が進み、GPS等の位置情報と組み合わせて省エネ運転、ドライバー管理等々広範囲に使われています。
一方、デジカメ関連技術の動画記録を用いたドライブレコーダーが、当初はタクシーの事故、車内トラブル等の記録用として導入され始め、その技術が進むにつれ一般の車にも装着できるような価格のものが出回ってきています。
ただ、ドライブレコーダーのハードウエアとしては車内環境の過酷さに耐えうる信頼性とナンバー等がハッキリ読み取れる性能等要求レベルが高くなっており、それらを満たすものはあまりないのが現状です。
メーカーも中国、韓国、台湾が主で、価格は安いものの信頼性が今一つです。この分野、その気になればいいものが出来ると思われる日本のメーカーは本格参入しておらず残念な気がします。

ドライブレコーダーの構造

ドライブレコーダーの構造は、撮影部分は基本的にデジカメの動画撮影の部分の構造そのものです。
すなわち、広角レンズ(画角90~140度程度)、CCDの撮影素子(35~500万画素程度)に各種のコントローラーと記録メデイアであるメモリーカードで構成されています。
この基本構造に加えて、衝突を検知するセンサー(加速度センサー)や位置情報を収集するGPSのセンサー等が組み込まれる場合が多くなっています。


ドライブレコーダーの種類

ドライブレコーダーには、大きく分けて衝撃記録型と常時記録型があります。それらの特徴を説明します。
いずれのタイプも事故で瞬間的に電源が切れる事に対応するため、充電池やキャパシター等を内蔵しているのが普通です。

1)衝撃記録型

内蔵しているセンサーが衝撃を感じると、その時点からさかのぼって数十秒間記録するもの。
記録用のメモリーが価格的にまだ高価で録画時間が長時間確保できなかった、初期の頃のものの多くはこのタイプです。記録メデイアの容量が少なくてすむ反面、衝撃センサーには反応しない非接触事故や事故にはならなかったが非常に危険な状況等を記録できない欠点があります。

2)常時記録型

最近のものの多くがこのタイプで、エンジンがかかると同時に記録を開始し、エンジンを切れば、幾らかの時間の後録画を終了するもの。このようなタイプであれば、ドライブ中の一部始終を記録する事が出来るので安心です。また、それ以外にも、ドライブの記録として風景等を楽しむ事も出来ます。



ドライブレコーダーの動画(画質)

ドライブレコーダーの動画は古いタイプのデジカメの動画の形式であるモーションJPG等を用いていましたが最近は、デジカメもHD動画を撮れるものがでてきており、ドライブレコーダーにもその流れがきています。
少なくともHD以上の性能が無いと、ナンバーの判別が難しくなります。


1)SD
(モーションJPG)
VGA(640X480)30fps
レコーダー:FS-DR189
この画像ではナンバーがハッキリとは読み取れない。この製品は中国製格安品でスペック上はSXGA(1280x960ピクセル)とあるが、元々の画素が30万の物を水増ししているだけなので画質は良くない。
2)HD
(H264、MP4等)
1280x720 30fps
レコーダー:HD-VC720PB
停車して近づいた状態ではナンバーがハッキリと判別できる
3)FHD
(H264、MP4等)
1920x1080 30fps
レコーダー:DR400G-HD
停車して近づいた状態でナンバーがハッキリと判別できる、動いた状態でもある程度判別できる
           

ドライブレコーダーの動画(ちらつき)


地域によりLED信号の場合、電源周波数にシンクロして信号の用事がちらついて見える場合があります。
このような場合、フレームレートを変更できる機種の場合、変更してみると、見やすくなる場合があります。
60Hzの地域では30以外に、50Hzの地域では25以外にしてみると良いかもしれません。
           

ドライブレコーダーの今後

ドライブレコーダーの意味はもちろん、事故が起こった時の状況を記録しその後の事故処理等を正確に公平に進めてゆくためのものに他なりません。事故が起こった場合その原因がどこにあるかの特定にドライブレコーダーは大いに役立ちます。記録可能な情報としては下記のような事項が考えられます。
これらの項目はナビゲーションシステムと共通するところもあり今後は、それらと統合されて、総合運行システムとなってゆくかもしれません。またこれらの記録は事故のみならず、犯罪等の検証等にも非常に有効で将来的には最低限のレコーダーは装着を義務化すべきではないかと思います。


記録項目センサー状況
前方撮影CCDカメラ実現
後方撮影CCDカメラ実現(後方カメラ)
側方撮影CCDカメラ実現(車内カメラ等が代用)
車内撮影CCDカメラ実現(現状は主にタクシー)
速度GPS実現(GPS内蔵機種)
加速度加速度センサー実現(GPS、加速度センサー内蔵機種)
位置GPS実現 GPS内蔵機種
時刻GPSGPS内蔵してない場合は内蔵時計で代用(狂いやすい)
ハンドル切れ角ECU等からOBD2
ブレーキ、アクセル情報ECU等からOBD2 ブレーキ、アクセルペダルの状況
車体傾斜ジャイロ等GPS OBD2等
エンジン情報ECU等からOBD2
気温温度センサー技術的には容易

ドライブレコーダーの課題

ドライブレコーダーの記録は法律的には残念ながら現状では正式な証拠とはなりません。それは改竄可能な状態なデジタルデータであると言うことです。
もし装着が義務化された場合は改竄不可能なメモリーに収容するとか、なんらかのしくみが必要になりますが、プライバシーとの兼ね合いもあり様々に検討が必要となります。
でも、事故原因の正確で公平な検証、車が犯罪に使用された場合の社会の安全性の確保の事を考えると、義務化する方向に進んでもらいたいものです。