前のページで説明した、トラブルのうち、唯一、個人で対応できる可能性のあるのが特定のキーのみ動かないトラブルです。制御デバイス、赤外発光ダイオード、電池等が正常と言う前提で、この場合のトラブルの原因はほぼ下図の様な、リモコンのボタンの接触不良(又はショート)です。
実際のトラブルの事例を示します
基板側にボタンの跡がクッキリと残り、液状のものが付着していたことがわかります。
(修理方法)
液体等が侵入してショート状態ならば、テイッシュ等で丁寧に各接点(ボタン側、基板側)を拭きます。
濡れた様子がない場合は、接点の劣化、摩耗による接触不良と考えられますので、接点(ボタン側、基板側)の表面をアルコールで拭いたり、慎重に表面をわずかに削ったりします。
(ご注意:ここに記してある修理方法は個人の見解に基づくもので、必ず直るわけではありませんし、破損してしまう場合もあります、あくまで自己責任でお願いします)
リモコンは基本的に消耗品扱い?の様で、多くのリモコンが、簡単に分解できるようにはなっていません。
多くの場合、ネジは1~2か所程度またはゼロで、ほとんどの部分が勘合(ハメコミ)構造になっています。
分解する場合は、ネジ止め部分があれはそれを外してから、勘合部分を細いマイナスドライバー等の先端でこじって開けます。
その場合、無理にやると勘合部分を破損したり、内部の基板を破損したりしてしまいます。
慎重にも慎重にを心掛けて行います。
(分解する場合は壊してしまう危険性が常にある事を認識し、自己責任でお願いします)
(リモコンの躯体の例)
このエアコン用のリモコンは、裏面3点がビスで固定されており、このような場合はビスを外すだけで比較的簡単に分解できます。
一方、上のレコーダーの様に最近のAV関係の物は、ビス止めはほとんどなく、ハメコミ構造になっています。それだけに、分解は難しくなっています。このレコーダーの場合は電池の部分に1か所ビス止めがあるだけで、これを外しても、すんなりとは分解できません。
このリモコンを例にして、分解の手順を説明します。
精密ドライバーセット、マイナスドライバー等を準備します。
ネジ止めの箇所の周囲の接合のスキマから、精密ドライバーでこじり少しの隙間をあけ、その後マイナスドライバーでこじって開けてゆく。
あくまで慎重に、基板等を傷付けたらアウトです。12か所を慎重に外してゆきます。
(一旦、外れた箇所には紙等を挟んで再び勘合しないようにすると、作業がやりやすくなる場合があります)
勘合部は2か所の爪と穴で構成されています。
上蓋と基板を固定している、2か所のビスを外すと、上蓋、ゴムシート、基板、下部躯体の4つに分かれる。
(押しボタンの構造)
様々な色のボタン部、その下の伝導性部(カーボン入り)、それらをつなぐシート部からなり、見たところ、個々の材料を一体化してゴム架橋のため熱プレス成型したように見えます。一方、基板側は、対応するボタンの箇所に伝導性の独特なパターンの接触部があります。
(制御デバイス)
制御用チップ、この小さなチップがこのリモコンの全ての機能を制御します
本体との通信のカナメの赤外光LEDです。