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ドライブレコーダーの画角

ドライブレコーダーに装着されるレンズの画角は90~140度くらいのものがあります。アスペクト比はHD(1920x1080,1280×720)の場合は、ビデオカメラと同じく16:9で、従来画質(640x480)の場合は4:3です。
なるべくゆがみなく自然なかたちで記録するには16:9のものが望ましいと思います。画角は、あまり高画角のものは周辺のゆがみが大きくなるので、100~120度程度のものが自然な印象を受けます。


ドライブレコーダー取り付け場所

ドライブレコーダーの取り付け場所としては、ダッシュボードの上、ルームミラー付近等がありますが、出来るだけ死角をなくして撮影しようとすると、ルームミラー付近が最良です。
ダッシュボードにとりつけた場合、どうしてもボンネット部分で死角が出来、撮影する範囲が狭められます。ただ、ワゴンタイプ等のボンネットが短くて傾斜も大きな車は、ダッシュボード取り付けでも問題ないと思います。


取り付けの工夫

ドライブレコーダーには、取り付け台座が付属していますが、あまり出来が良くなく、かなり場所をとってしまって、見栄えが悪かったり、視界を妨げたりする場合もあります。
また、取付け部もスプリングワッシャー等がなく、振動ですぐゆるんでくるものもあります。そこで、車用品として売られている、とりつけステーを加工してL字型にして一方に穴をあけて取り付け金具を作り固定して見ました。


速度・距離による解像度

ドライブレコーダー:HD-VC720PB 1280×720 30fps H.264形式
速度・距離によって、車のナンバーの読み取り状態を調べてみました。
夕方・曇りの状態での比較的コントラストがつきにくい条件下での結果です。
取り付け場所:ルームミラーの左側上部
テスト車:市街地:軽ワゴンタイプ 高速:セダンタイプ
※高速道路の白線長さ8m・間隔が12m

環境キャプチャ画像(クリックで拡大)状況
一般市街地
信号停止状態
静止状態では、ナンバーの情報の全てがクリアーに読み取りが可能。
高速道路1この距離ではナンバーの情報はほとんど、読み取れません。
高速道路2おぼろげに、数字の輪郭が分かる程度で、正確にはわからない。
高速道路34桁の基本的な数字は読み取り可能。上部の地名、分類番号等は読み取り不可。
高速道路4上部の地名、分類番号もかろうじて読める


ノイズ対策

開発途上の製品ともいえるドライブレコーダーの問題の一つに、ノイズの発生があります。デジカメも内部では盛大にノイズを出していますが、様々な対策で、付近の機器には影響を与えないように配慮した設計になっています。一方、ドライブレコーダーはそのようなノイズ対策が万全なのはほとんどなく、車載機器になにかしらの影響を与える場合が多いのが現状です。
それらを少しでも緩和するため、いろいろな対策が考えられますが、そのうちのいくつかを紹介します。

影響をうける機器

◇車載地デジTV(473~767MHz)
◇車載ラジオ(中波(526.5~1,606.5kHz)FM(76~90MHz))
◇カーナビGPS(1575.42MHz)
◇レーダー探知機(GPS、レーダー受信10.525GHz))
◇ETC機器(5.8GHz)
等々があります。

発生するノイズ源

◆電源(電源部のシガーソケット内にDC/DCコンバーターが組み込まれている場合)
◆ケーブル
◆本体

ノイズの伝わる経路

■電源部や本体から直接ノイズ(電磁波)が放射される場合(放射ノイズ)
■電源部、本体につながるケーブルを伝わり、各機器に影響する場合(伝播ノイズ)
の2種類があり、それぞれ対策が違います。


(放射ノイズ)の対策

1.ドライブレコーダーのケース内側にノイズ吸収シートを貼る。->効果◎
(分解必要、内部に合わせてピッタリ貼る必要があり難しい)
2.ドライブレコーダーのケースに合わせて、外側を覆うようなケースをかぶせる->効果◎
(分解不要、ただし表示ランプ、マイク、主な操作SWのための切欠きが必要)

材料は、紙の部分はお菓子の箱を加工、アルミは台所用の防水アルミテープ(厚さ80ミクロン:100均で調達)、ゴム部はゴムの両面テープを張り付けた上に、CD保管用の黒い不織布を貼りました。
ゴムを貼ったのは、直射日光等の熱から少しでも防護する事を考えました。(効果はわかりません)
この効果を確認するため、中波のラジオのノイズの影響でテストしてみたところ、カバー無しの場合、15cm以上離れないとノイズが出なくならなかったのが、3~4cmくらいまでは近づいても大丈夫になりました。
(テストした レコーダー FS-DR189)

(伝播ノイズ)の対策

1.電源ケーブル(ドライブレコーダー側の近い部分)にフェライトコアを取り付ける->効果X~△
(フェライトコアの種類、ケーブルの巻数等々ノイズの種類に合わせたものでないと効果が出にくい)


2.電源ケーブルをシールドする->効果○

(USBケーブルを流用して電源ケーブルを作れば、シールドされた電源ケーブルが出来ます、USBケーブルは外側にシールドがあり内側に4芯の信号線がありそれを用いて電源ケーブルとします。シールド部は、なるべくレコーダーの近くでアースするのがベストです)
3.電源ケーブルのマイナス側をアースする。○
(ドライブレコーダーに近いところの電源のマイナス側を、アースすると各部の電位差が生じなくなりノイズの発生を抑えられます)
下図は、5V駆動の電源の場合で、シガーソケットから分岐して引いた12VDCに、100均でもあったUSB電源を接続して、そこに改造したUSBケーブルを使ってレコーダーに電源を供給した例を示します。
ただし、USB電源アダプター自体、結構なノイズを出す場合があるので、直接、シガーソケットに入れるより、様々な機器から離すようにケーブルで分岐し、かつカバーをする必要がある場合があります。
電源用ならば、USBケーブル中の1番(+)と4番(GND)の線を用いて下さい。普通のUSBコネクター(Aタイプ:オス)はコネクターに向かって、右から1,2,3,4の線番です。
流せる、最大電流はそのケーブルのUSB準拠のバージョンによりUSB1.0(100mA)、USB2.0(500mA)、USB3.0(900mA)となっています。

熱の対策

ドライブレコーダーが取り付けられる車の、ダッシュボードやフロントガラス等は、夏場は70~80度近くまでなる可能性のある非常に、電子機器にとっては過酷な環境です。それだけに、長期間安定して稼働する必要のあるドライブレコーダーの熱対策は重要です。

1.基本構造

基本的に、Li電池でバックアップをしている機種は、熱に弱いのでお勧め出来ません。
キャパシタ等の比較的熱に強いデバイスを採用しているものを選ぶべきです。(仕様書を良く調べてください)
熱対策について、生産国から見ると、日本よりも平均気温が高めな、台湾製が機種によりますが安心できるかもしれません。

2.取り付けの工夫

ドライブレコーダーに直接直射日光が当たらない様に、日よけ的なものを付けてみるのも有効です。ドライブレコーダーは黒色の物が多く、太陽光の熱を、吸収しやすく、周囲の温度以上に、高熱になる可能性があります。
簡易的な日よけとして試作したものを、参考までに例として示します。薄いダンボールに、台所用の防水に使うアルミテープを張り付けて、日光を反射するようにしました。全面を囲うと、かえって内部の放熱が悪くなる恐れもあるので、必要最小限の覆いにしました。

その他、フロントガラス側にメッシュ等のサンシェードを付ける事もできますが、車両の保安基準等もあり、機器側の対応だけにしています。まあ、そもそも、吸盤でフロントガラスにとりつけること自体が問題になる事もあるようなので、そのあたりは、今後の検討課題です。

これらの対策は、たまたま筆者が試して、改善が見られたもので、全部のレコーダー、取付環境に合うかどうかは保障できません。改造する場合は機器が壊れる恐れがあることを前提に、自己責任でお願いします。